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2025 / 10 / 07  18:07

10月新刊のご案内 「牛にまたがった治療家 永田徳本」 河上陽江:著

10月新刊のご案内 「牛にまたがった治療家 永田徳本」 河上陽江:著

 

「牛にまたがった治療家 永田徳本」 河上陽江:著を発行致しました。

著者は長野県出身。波乱万丈の人生を歩む中で、偶然にも永田徳本(ながた とくほん)という人物を知る。永田徳本とは、戦国時代後期から初江戸時代初期、今から400年以上前に諏訪で活躍した医師。「甲斐の徳本」とも呼ばれ、「十六文先生」と称された。諸国を巡り安価で医療活動を行ったとされる。日本の製薬会社『トクホン』の社名は、この徳本にちなんで命名された。彼を調べていくうちに、物凄い人物だと知り、感動した著者。ついには執筆の想いが募り、今回の著書に至った。 永田徳本にまつわる話に、著者自身の自分史を織り交ぜたエッセイ。

百十八歳まで生きた永田徳本(本文より抜粋)

 

 永田徳本の名は、甲州の人たちには「ぶどう棚」を考案した人として、広く知られている。

 また、諏訪では、昔を知る人たちには、「かりんの木を植えた人」として知られている。

 が、若い世代には、その名は次第に忘れられてきている。

 永田徳本は、1500年代に生き、百十八歳まで長生きをしている。

 当時の平均寿命は、せいぜい五十歳だろうから、驚異的とも言えるくらいの長寿である。

「一服十六文」の薬を、どの人にも公平に分け与えた。江戸時代で言う「赤ひげ」である。

 私は、健康関係のイベントをする時には、必ず徳本の話をしていた。

「江戸時代にもかかわらず、百十八歳まで長生きした治療家がいるんですよ」

 長野県の平均寿命が、日本一だと言って喜んでいるが、本当は、「健康寿命、日本一」

 そうでなくてはならないはずだ。(文中略)

 ある時、私は何人かの方と、永田徳本のお墓参りに行った。

 道がわからなくなって、交番に立ち寄った。そこで、永田徳本のことを言うと、「本でも書くのですか?」と聞かれた。

 そんなこともあり、私はいよいよ、

「永田徳本の本を書かなくては・・・」と思うようになったのだった。