インフォメーション
2023 / 05 / 05 09:58
POD出版の新刊ご案内! 【言語学の視点から 「は」と「が」 を考える】松下和幸 著
国語教育にも日本語教育にも欠かせない基本文法の知識の一つが、「日本語の助詞の『は』と『が』の違い」である。
このことを明らかにすることが本著の目的である。
虹が綺麗だ。
虹は綺麗だ。
では、「が」を「は」で置き換えられない。「は」に置き換えたら大きく意味が異なってしまう。この例からもわかるように、「は」と」「が」には大きな違いが見られる。
(本文より)
著者紹介:松下和幸(まつしたかずゆき) 昭和23年生まれ。幼い頃、上野駅の周りの傷痍軍人や浮浪児を目にし、戦後の東京の貧しさを見た。東京教育大学国語国文専攻。大学時代、「筑波大学」設置をめぐって異常事態となり、人間とは何か、民主主義とは何かについて考えさせられた。卒業後、教科書出版社(数学編集)で働いた後、神奈川県の国語教師として20余年働く。
私の意識を大きく変えたのは、教育委員会から派遣された中国の北京の大学で二年間(1986−1988)教えたことである。そこで外国人に、日本語を教える面白さと大変さを体験した。文法に関する質問が多く、「学校へ/に行く」「あの人が/を好き」「雨が降るから/ので傘を持ってきた」など、違いを問いかけられた。明瞭に説明できず、歯痒い思いをした。
その後、「言語学」を基礎から学びたいと決心し、高校教師を辞し、四十代後半で、オーストラリアに渡り、Australian National Universityで学んだ。接続助詞「から」と「ので」の違いを研究し修士号を、さらに「日本語のモダリティ」を研究し、博士号を取得した。
豪州とその後の中国では日本語教育に取り組んだ。今回の著作は、国語教育を体験し、なにより「言語学」を学び、日本語教育を実践してきたからこそ、まとめ上げることができたと思っている。